04.オーディエンスの参加

ー目次ー
◆オーディエンスの参加とは
◆能動的なイベントの参加(企画)
◆ファンが作ったルール
◆オーディエンスによる分析や推測
◆まとめ
◆参考文献

オーディエンスの参加とは


 オーディエンスの参加とは、トランスメディアの大きな要素です。参加型のゲームやイベントなどインタラクティブなプラットフォームにおいてオーディエンスはどのように参加できるか、について調べました。

能動的なイベントの参加(企画)


 I*ZONEやPRODUCE101など韓国や日本で活躍するアイドルグループは、日本のアイドルファンの応援の仕方とは違い、韓国で行われている少し変わった方法であったため、比較しながら紹介していきます。
 日本の韓国系アイドルのファンは、自らアイドルの誕生日イベントを企画、開催をし、ファン同士の交流会がいろんなところで行われていて、一般人ながら熱量の高いファンたちが中規模のイベントを定期開催したり、自分たちで作った自作のグッズをプレゼント企画・販売したりして交流しています。
 自作グッズといえば、コミケで売られる同人誌の販売やサークルオリジナルグッズなどが有名だと思います。
 〇周年記念や聖誕祭などのイベントごとに企画者はTwitterやサイトで呼びかけ、大勢で同じ趣味を持つ人が集まる場所を提供し大規模な企画になっていっているものがあります。

 応援広告のことを韓国では、”センイル広告”といい、K-POPファンが直接広告を出稿し、応援することが多いです。主に、誕生日広告や周年記念日広告、イベント告知の広告もファンが+αで、宣伝しています。
日本の都内で有名なのは、新宿の大型ビジョンなどがあげられます。
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大型ビジョン

費用:10~300万程度
一日約10~20万(期間にもよる)

駅構内
費用:1日10~200万

ラッピングバス、宣伝カー(写真)
バス丸ごとラッピングする場合:120万前後
一部広告:10万程度
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何人ものファンがネットやSNSで呼びかけ、協力してお金を出し合わなければいけません。「本人にも気付いてほしい」・「応援している人の世間的知名度を上げてあげたい」などのファンの思いから行われ始めた大掛かりな”応援のカタチ”でした。

 センイル広告は、主にK-pop好きの人がすることが多く、あまり浸透はしていませんがこれからNiziUが最近デビューしたこともあり少しずつ増えていくのではないでしょうか。
 対して、アニメやジャニーズ・坂道系のファンが”応援するカタチ”はまた変わってきます。

本人不在の誕生日会
主にアイドルやアニメのファンがよく行っている、本人不在の誕生日会。
応援している強い気持ちから生まれたもので、ケーキに推しの名前や写真・メッセージを加えてお祝いしたり、ただただ、自担が大好きなゆえに開かれる会が多くあります。

2.5次元や地下アイドルの誕生祭が行われるときは、イベントスタンド花をファン同士で声を掛け合い、できるだけ大きくて豪華なものを会場に送ることが多いです。本人の目にも直接触れられる物なので、本人への気持ちを伝えられるツールにもなっています。それは、大人数で協力してなるだけ豪華な花を贈るためにTwitterで呼びかけたり、ファン同士で声かけあったりしています。

ファンが作ったルール


 女の子のアイドルの歌の途中でよく聞く、タイガー!サイバー!...というファンの掛け声は、韻を踏んでるだけで深い意味はありませんが、ファン一同が掛け声をかけること(C&R)に意味があり、そうすることで両者のコミュニケーションを生み出しています。 
ファンもその掛け声を楽しみに参加していたり、歌い手もその掛け声があることで盛り上がり、会場に一体感が生まれます。例えば、白石麻衣さんの7時間半のライブはファンの盛り上がりと熱狂的ファンがいるからこそ成り立つものであり、歌手に対するファンのレスポンスの結果だと言えます。

 スポーツも一緒で、野球ではチームごとに応援の掛け声・歌・振付けがあります。
有名なのは、広島カープで熱狂的なファンが多く一体感のある応援が話題になっていました。
ジェット風船も広島ファンが考案したものといわれており、1978年5月「広島東洋カープ近畿後援会」がホームラン打つたびにジェット風船を飛ばし始めたことがきっかけになったといわれています。(諸説あり)
その他、トランペット応援を取り入れたのも広島発だとされています。
広島カープの応援といえば、「スクワット応援」です。これが生まれたのは1993年で、女子学生グループが応援団の太鼓に合わせて悪ふざけなのか「立つ・座る」を繰り返していて、そのうち広島ファンがじわじわ同調し始め、約一年後には関東の広島ファンにも定着していき、今のカタチになったといわれている。12球団の中でもオリジナリティに溢れ、他球団を圧倒する応援です。

オーディエンスの分析や推測


 ”ファンが作り出すスターウォーズの世界観”

 マウントの取り合いからファンと製作者側の矛盾が生じ始めます。それはエピソード7から始まり、カイロ・レンのモデルが古のシス、ダース・レヴァンとジェイセン・ソロ(ダース・カイダス)に由来することを暗に匂わせてしまったことから一気に加速。同時に登場したレイも、双子の姉であるジェイナ・ソロのような匂わせ方だったので、ここから「コア(それも深淵の)なファン」を名乗るには非正史である作品まで把握していないといけないという事態に発展しました。
➡細かすぎる設定と捉えられて、匂わせしているわけではない内容がファンによって深読みされてしまい、マウントの取り合うファンの中では、議論も起こってしまい矛盾が生じてしまう結果になりました。

 この方針が映画にどの様な影響を及ぼしたのかと言うと「J・J・エイブラムスやジョナサン・カスダンのような『ファンに向けたサービス』、『ファンへの理解』をアピールする作品の連発が始まった」という事になります。
ファンに向けたサービスとしてアピールするために買収後に非正史と葬られた100点以上の作品の設定の逆輸入が一度始まると止めどなくなるもので、最終的にはどの様な新作でも何かしらのエッセンスを入れざるを得なくなくなるという悪循環になってしまいました。

 現代のSNSでは深い専門知識を持つ人物がいつでも自由にネタを発信できる時代です。特にアニメコンテンツでは作画の中に潜んでいる意外な設定やトリビアが話題になりやすく、伏線である場合と無い場合もあり、それもファンにとって醍醐味ともいえるのではないでしょうか。
「スター・ウォーズ」やマーベル作品も例外ではなく、どんな作品でも推測・分析する人は山ほどいます。

 エヴァンゲリオンの盛り上がりは特殊で、作品の作りがざっくりとしていて余白が多い分、ファンがその余白を埋めるようにバックストーリーを分析・推測していきます。
製作者側は何も発表していないのにもかかわらず、オーディエンスの推測や憶測で作品を大きくしていったといわれています。

まとめ


 ルールをファンの中で決めるのも守るのも、大好きで応援しているからこそできることであり、ずっと定着していきます。誰かが言い始めて、いつの間にかファンの間で常識になっていく、というのが”応援する”ということの同じ気持ちを持った人同士だから起きるものであり、お互い分かち合い理解できるからこそファンルールになっていことがわかりました。
 オーディエンスが作品が大好きなことで生じる分析や推測は時に製作者側を苦しめ・売り上げにつながったりすることがわかりました。オーディエンスの参加は人が集まれば集まるほど影響力が強くなり、SNSからイベントまで推しや作品のために多く人が動いていることがわかりました。

参考文献

https://www.galpo.info/feature/list/1741
あれもこれも発祥はカープ!?  好調・広島を支える熱狂応援文化の秘密(週刊野球太郎) – goo ニュース

担当者:片岩 実咲

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