10.トランスメディアプラットフォーム

はじめに


トランスメディアプラットフォームとは、「着地している」ということがキーワードです。しかし、ここではネット上に展開されるトランスメディアプラットフォームを見ていきます。展開されるメディアのプラットフォームによって作品やアーティストの魅力の伝わり方が大きく変化していきます。

ー目次ー
◆ネット上のプラットフォームのはじまり
◆現在のネット上のプラットフォーム
◆変化していくプラットフォーム
◆まとめ

ネット上のプラットフォームのはじまり


ネット上のプラットフォームは主にmixiから始まりました。
mixiとはファンから発信されること、アクティブオーディエンスの始まりともいえるツールです。国内SNSの一つで、一時は国内最大となったサービスです。2004年3月に開始され、会員数は2005年8月に100万人、2006年7月に500万人、2007年5月に1000万人と急増し、FacebookやTwitterが普及する以前の日本で最大のSNSとなりました。
自らのプロフィールを登録すると参加でき、ブラウザだけで利用できる日記機能や、参加者間でメールが送受信できるメッセージ機能、主要なメディアから配信されるニュースを一覧でき、関連した日記を書くことができる「mixiニュース」、携帯電話からmixiが利用できる「mixiモバイル」、テーマに沿って参加者が集まるコミュニティ機能などがあります。コミュニティは参加者が自由に設立することができ、掲示板を作ったりイベントを企画したりできます。

現在のネット上のプラットフォーム


mixiより後に話題となったSNSとしては、InstagramやTwitterが良く知られていますが、最近では様々なアプリを通してメディアプラットフォームを展開しているアーティストが多数います。
アーティストや作品のジャンルによって利用するアプリも変わっていきます。

〈ネット上のプラットフォーム〉
VLIVE
ニコニコ動画
SHOWROOM
17LIVE
LINE LIVE
BIGO LIVE

〈VLIVE〉
Vliveとは簡単に言えば、K-POPアイドルやタレント専用の公式動画配信サービスです。Vliveが開設されたのは2015年で、韓国の大手ポータルサイトであるNAVERがサービスを開始しました。より多くの人が使えるように日本語はもちろん英語や中国語、スペイン語などにも対応しているので誰でも利用しやすいのが特徴です。一部有料コンテンツもありますが、基本無料で利用することが出来ます。また、公開されている動画を見るだけでなく、視聴者も参加したり、リアルタイムで楽しめる仕組みもあります。
例えば、韓国のアイドルBTS(防弾少年団)は、SNSはもちろんですが、VLIVE内でメンバーだけの番組やライブ後などのプライベートな一面を生配信してファンとコミュニケーションをとり、着実にファンを獲得していきました。

〈ニコニコ動画〉
ニコニコ動画は、株式会社ドワンゴが2006年12月から運営・提供している動画共有サービスです。このサイトの特徴としては、配信される動画の再生時間軸上に対しユーザーがコメントを投稿できる独自のコメント機能があること、またその他にもユーザーやアップロード者同士が交流できる機能が多くあることです。
ニコニコ動画でブレイクしたアーティストとして有名なのが米津玄師です。はじめは「ハチ」という名前で楽曲制作や動画制作を行っており、それをニコニコ動画に投稿し、それらの楽曲が一躍有名になりました。

〈17LIVE〉
スマホやパソコンからだれでも配信できるコンテンツです。アジアを中心に人気となっているライブ配信サイトです。2015年に台湾でサービスが開始し、今では全世界4,000万ダウンロードを達成しています。また、17LIVEではライブ配信をすると、視聴者からギフト(投げ銭)を貰うことができるので、話題になっています。

変化していくプラットフォーム

〈SHOWROOM〉
SHOWROOMとは、スマホやPCから誰でもライブ視聴、生配信を行えるストリーミングサービスです。元々はアイドルやタレントがライブ配信して視聴者とコミュニケーションを楽しむWebサイトとして2013年11月にサービスを開始しました。SHOWROOMの特徴としては、オーディション配信やイベント出演権をかけた配信などのポイント数を競う賞レースが多いことです。視聴者の姿は配信画面上にアバターで可視化されていて、配信者に対するコメントやギフトを投げることによって配信を賑やかせたりできます。ミスコンなどでもSHOWROOMを利用している団体も多いです。去年あったイベントでは、全国の大学の各ミスコンファイナリスト対象にSHOWROOMでランキングが1位になった人が神戸コレクションに出場できるというものがありました。
SHOWROOMはジャニーズも進出しています。
バーチャルジャニーズプロジェクトとしてジャニーズジュニアから2人が選ばれあすかな(海堂飛鳥と苺谷星空)というバーチャルキャラクターでSHOWROOMで定期的に配信を行っています。あすかなとして何曲か曲も出しており、アニメとライブの融合した映画もこれから公開されるほど人気です。
ジャニーズのアイドルが別のキャラクターとして顔を出さずに配信しているというのは新鮮ですが、顔を出さないことにより2次元のファンも獲得することが出来ます。また、元々のジャニーズファンには、ネットに進出するのはハードルが高かく「遠い」のが当たり前だったジャニーズがSHOWROOMを始めたことにより、自分のコメントにリアルに反応してくれることなどが「近さ」となり、より満足度を高められました。

まとめ


トランスメディアプラットフォームは時代に沿って形が変わってきています。また、様々なツールやサービスがあるのでアーティスト側のそれらの選び方も大事だと思いました。話題になっているアーティストや作品は、ネット上のプラットフォームの展開の仕方が上手いのだなと感じました。

担当者:添野日向子,赤井美空

おすすめ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です