07.モード

ー目次ー
◆モードとは
◆二次元・三次元のメリット
◆キャラクターの性格設定
◆色彩設定
◆音声設定
◆実写化するメリット・デメリット
◆まとめ

”モードとは”


 はじめに、モードの定義をまとめていきます。物語は、メディア化される段階で具体的な属性が付与され、主にキャラクターの形状・色彩・性格・言葉・舞台となる背景・風景・状況・音声・音楽などがその際付与されます。メディア化される段階での具体的なモードの変化(追加される属性)は、『原作漫画→アニメ→実写化作品』のようなメディアの変化に注目することで調べることが可能でした。

二次元のメリット
 生身の人間では難しい描写が可能であり、完璧な美しさや現実では起こらないようなことを描写することができます。
三次元のメリット
 生身の人間ならではの臨場感や迫力、リアルを描写することができます。

*ここからはこのメリットを前提として展開していきます。

キャラクターの性格設定


 キャラクターの性格設定は実写化される作品によって異なってきます。例えば、原作の脚本家が映画制作に携わることで原作通りに忠実に反映される場合(例 キングダム)もあるが、実写化する際にキャラ設定を変更する場合(例 進撃の巨人)もあります。オーディエンスからの評価は、忠実に再現するパターンの方が評価が高い場合が多いです。また、実写化の俳優と原作キャラクターのイメージが異なっている点で違和感が生まれるケースもあります。実写化成功例である、キングダムでは主人公のキャストを選考するにあたって、マーケティング調査が行われ、データにそってアンケートをとったことが成功実績としてあげられます。同じように「原作漫画→アニメ」に変わるにつれて加わる声優のイメージの違和感も考えられます。

色彩設定


 色彩設計者には、どの色を使用するかの決定権を持つ責任者の役割があります。また、アニメで画面に映るすべての物体の色や作画で必要となる色を指示する色指定表を作成します。
色彩の仕事には色指定、仕上げの作業が存在し、色彩設計の仕事はそれらすべてのセクションと関わり合いながら仕事を進めていきます。その後、アニメ作品の最終的な仕上がりを検査します。色彩設計は、アニメ制作の大切なセクションとされているのです。

音声設定


 アニメーションの絵に声を吹き込む声優のことをアニメ声優と言います。ストーリーの内容を理解し、そのキャラクターの感情を表現します。基本的な発声や滑舌の他にも、総合的な演技力や表現力、台本の読解力なども必要不可欠になります。さらに、アニメ化するにあったって効果音の付与が必要になってきます。効果音とはアニメの特定シーンにおいてのその場の空気感や雰囲気を表現するために使われる効果音のことであり、効果音を追加することによってよりリアルさが増します。(例 お母さんが子供を叱るシーンでの雷の効果音、頭を殴られたときの効果音→現実の世界ではありえない音であるためなるべく近い音になるように様々な音を組み合わせていきます。)効果音の作成は音響スタッフの創意工夫によって行われています。

*では、具体的に原作作品(漫画やアニメ)から実写化するメリットとは何なのでしょうか。

原作作品→実写化するメリット・デメリット

そもそも実写化作品を見ようとする人は2パターンいます。

①元々、原作が好きで実写化作品を見ようとしている人(既存ユーザー)
②原作は見たことないが、広告や宣伝などで実写化作品を見ようとしている人(新規ユーザー)
→この2パターンの人間がいることによってメリット、デメリットは異なってきます。

①(既存ユーザー)のメリット
・実写化されたことで、原作には出てこなかった新しいキャラクターに出会える新鮮さ
・実写化映画を見ていない他の既存ユーザーとの差をつけることが出来る
・内容が原作と同じような場合でも、実写化されたことによる新しい楽しさ・新鮮さを感じることが可能

①(既存ユーザー)のデメリット
・原作のイメージを期待した場合に、原作の表現度が期待外れだったため、不快でつまらない→この場合多数あり
・実写化だからこその変化を求めていたが、知っている内容ばかりで期待ハズレである
・新規ユーザーを意識した作りで、既存ユーザーのことを考えているのかと言いたくなる出来である

(新規ユーザー)のメリット
・実写化映画を知ることで、原作アニメ・マンガにも興味を持ち、新しい世界を知ることができる→映画以外へのメディアの広がり
・原作という存在を意識せず、純粋に1つの作品として楽しむことができる

(新規ユーザー)のデメリット
・1つの作品として単につまらない→これはどうしようもない
→そのため、原作を知ってもらうきっかけにもならないため、作成側からすると最悪の展開

◇まとめ


 『原作漫画→アニメ→実写化作品』とメディアの形が変わっていくにつれて、様々なモードが追加されることがわかりました。例えば、実写化作品に違和感を感じる人はその違和感は、「原作のキャラと実写の俳優のイメージが異なる」や「白黒漫画→アニメの際の色彩設定」、「アニメ→実写の際のキャラクターの性格設定」などであり、メディアの形が変わるにつれて加わるモードの違和感であることがわかりました。(しかし、モードの違和感以外にも、単純に作品の内容の変化の場合もあります。)これらのモードの変化に着目しこだわることで作品を作り、どのタイプのユーザーのニーズに合わせるかによって作品を作るべきであると私は感じた。

担当者:青野 紘斗

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